
近年、入浴剤の数は大きくふくれあがり、個性豊かな入浴剤を多く見かけるようになりました。数が多すぎることが裏目に出てしまい、優柔不断な人は入浴剤選びに苦戦することもしばしばです。
そう言っている私自身も優柔不断な性格なので、写真のように無駄に入浴剤を常備してしまっています...(まあこれはこれでありなのですが)
なので、優柔不断な人のために、そして私自身のために入浴剤を7種類の分類にまとめてみました。だいたいの入浴剤はこの7種類のどれかにあてはめることができ、これにあてはめることでその入浴剤にどのような効能が期待できるのか知ることが出来ます。
また、あらかじめ目的・症状に合う入浴剤の種類をこの7つの内から決めることで用途に合った入浴剤を探すことが出来ます。
例えば、図書館で虫の図鑑を借りたいとき、「図鑑」が並んである本棚から探すようなイメージです。虫の図鑑を借りたいのに「雑誌」が並んである本棚を探しても意味が無いですよね。それと同じで、目的に合う種類を1つ決めることで自分が望む入浴剤を探しやすくなります。
入浴剤の種類
入浴剤には、無機塩類系、炭酸ガス系、生薬系、酵素系、清涼系、スキンケア系、温泉系という7つの種類があります。主な成分や材料からこの7つの内のどれかに区別することができ、それぞれが違う特徴を持っています。
それでは、種類ごとの説明に入ります。
無機塩類系
その名の通り無機塩類を主成分とした入浴剤の種類です。無機塩類には、塩化ナトリウム(食塩)、炭酸水素ナトリウム(重曹)、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどが含まれ、いわゆるミネラルのことをいいます。
これらの成分は温泉にも含まれ、塩化ナトリウム(食塩)、炭酸水素ナトリウム(重曹)などのアルカリ塩類は皮膚表面の汚れを落とし、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩は末梢血管を拡げる作用を持ちます。また、塩類には皮膚表面にまくを作って身体の熱を逃がさないようにする作用もあるので保温効果も期待することもできます。
「塩類」という言葉に引っ張られ、クナイプのようなバスソルトをイメージするかもしれませんが、それ以外の入浴剤にも上で挙げた成分は含まれているものは多いです。パッケージ裏の成分一覧でチャックすることができるので入浴剤を選ぶ1つの基準として活用しましょう。
炭酸ガス系
炭酸ガス系の入浴剤は発泡効果を持っています。例えば、「バブ」や「きき湯」などがこれにあたる入浴剤です。
お湯に溶け出た炭酸ガス(二酸化炭素)は体内に吸収され、末梢血管を拡げる作用を持ちます。これにより血行が良くなり皮膚表面で温まった血液が全身のまわることで身体を芯から温めてくれます。
「末梢血管を拡げる」という作用は無機塩類と同じで、どちらも高い温浴効果が期待できます。
生薬系
ヨモギや菖蒲、唐辛子など、漢方の薬草成分を主成分とする入浴剤の種類です。
生薬を刻んだものをそのままパックにした天然成分オンリーなものから、生薬エキスを取り出して他の無機塩類などの成分と混ぜてある入浴剤もあります。
生薬には様々な種類があるため効果をまとめることは難しいですが、生薬の刻みをパックにした入浴剤は香りが独特なものが多く、リラックス効果を得ることができます。しかし、肌が弱い人には刺激が強いものもあるので慎重に選びましょう。
また、販売されている入浴剤に限らず、生の柚子や菖蒲の葉を湯船に入れることでも生薬系の入浴剤と同じ作用を得ることができます。
酵素系
たんぱく質分解酵素であるパパイン、パンクレアチンなどの酵素を主成分にする入浴剤の種類です。
酵素の働きにより皮膚表面の角質層の汚れを除去して清浄にします。優しい湯触りなので肌トラブルの改善にも役立てることができますが、どちらかというと入浴剤を美容に役立てたいひと向けの種類です。
清涼系
肌がさっぱりし夏に出回ることの多い入浴剤の種類です。主成分はメントールで、それに無機塩類の成分が含まれたものが多いです。
この種類の入浴剤は清涼感を第一に考えて作られているため、温浴効果や保湿効果、肌への影響は二の次です。「とにかくさっぱりしたい!」というときに使いましょう。
スキンケア系
スキンケア系は肌を保湿、美肌にすることを目的にした入浴剤の種類です。
セラミド、ホホバ油、ミネラルオイルなど保湿成分を主成分として含み、この保湿成分が入浴中に角質層内部まで浸透することで入浴後の皮膚のうるおいを高めます。
温泉系
入浴剤には各地の温泉を合成成分により再現したものがありますが、ここでの温泉系の入浴剤は「実際の温泉成分を抽出したもの」のことを指します。
実際の温泉を家庭の湯船で楽しむことができますが、成分に硫黄が含まれているものもあるので浴槽を傷つけないように気をつけましょう。
その他
泡風呂のようなどれにも当てはめることのできない入浴剤。ここに含まれる入浴剤は効能が期待できず、それ以外の目的で使用されることが多い。
まとめ
あなたの目的に合う入浴剤の種類を見つけることが出来たでしょうか?
1つの例として、入浴剤によって「リラックス効果」を得たいと考え、入浴剤を探すとします。
その時、単に「入浴剤 リラックス」と検索するのではなく、リラックス効果の期待できる生薬系や温泉系にまとをしぼり、「入浴剤 生薬系」「入浴剤 温泉」などと検索することで、より具体的に入浴剤を探すことができます。
このように、ぜひ あなたの入浴剤探しに活用してみてください。